top of page

​労働条件の不利益変更に関するQ&A

最近の労働相談で出された質問です。参考にしてください。

Q1

 会社の役員から呼び出されて、「今、会社の業績が悪い。あんたも知っているように、これまで俺は、ダメと判断した奴は何人も解雇してきた。本来ならあんたも解雇するところだが基本給を5万円切り下げることにする。気に入らなかったら辞めてもいい」と言われました。こんなことが許されますか?

A1

 労働契約(賃金)の変更は労働者の同意が必要です。かつ、その労働者の自由意志に基づくものでなければなりません。労働契約において賃金は最も重要な契約要素であり、従業員の同意なしに、一方的に不利益変更(賃下げ)することはできません。

 解雇理由がないのに、解雇をちらつかせて、労働条件の不利益変更を迫るような経営者は労働法を知らないと思われます。
 企業内組合があればその組合と相談し、組合がなければ、地域ユニオンに加入して、賃下げの不当性を追及してください。

Q2

 会社の役員から呼び出されて、「営業職で雇ったが、仕事上でミスがあったので営業から外して、ほかの仕事をしてもらう。仕事の内容から、賃金を引き下げる。」と言われました。こんなことが許されますか?

A2

 期間の定めのない契約で雇用契約書に業務の内容が営業職と職種が限定されていれば、正当な理由なく他の職に配置転換することは配転命令権の濫用となり、その配転自体無効です。

 仮に配転が企業の裁量権としてみとめられたとしても、配転自体が直接賃下げの根拠となるものではなく、職務内容の変更に伴う賃金切り下げには、労働者の同意が必要です。

 低額な賃金が相当であるような職種への配転を命じた場合でも、特段な事情がない限り賃金は従前のままとすべき契約上の義務を負っており、配転命令は、契約上の賃金を一方的に減額するための法的根拠とはならないという裁判例もあります。

 単なる職務内容の変更に伴って、賃下げをおこなうことは許されません。
 企業内組合があればその組合と相談し、組合がなければ、地域ユニオンに加入して、賃下げの不当性を追及してください。

bottom of page